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製造業における生産性向上の事例7選

~生産性向上の事例を自社に活かす方法を解説!成功のカギは改題の明確化!~
“蓄積されたノウハウを活かし、最適なシステムをトータルサポート”として様々なソリューションを提供している住友電設情報通信システム事業部が、製造業等に向けて様々な情報をお届けしたいと思っております。
今回は、製造業のDX推進による生産性向上について、実際の事例も踏まえて課題となるポイントやその解決方法などについて解説していきたいと思います。
中小企業こそ大事な生産性向上について実際にDXを推進することで企業成長の礎にしてほしいと思います。是非ご覧いただき生産性向上の手助けになればと思っています。
■目次
1.工場の生産性向上が求められる背景
2.日本の生産性が低い理由とは何か
3.現場の生産性を向上させるためのステップ
4.生産性が向上した事例5選
5.事例の自社への活かし方の解説(フレームワーク)
6.まとめ
- 工場における生産性向上が求められる背景
近年、製造業を取り巻く環境は大きく変化しています。特に下記の3点が大きなポイントです。今後中小企業だけでなく大手企業でも企業が生き残っていくために生産性の向上が重要な施策となってきます。
- 人手不足の深刻化
少子高齢化は必ず訪れる未来です。将来的に今以上に労働人口が減少していくため、人材確保が困難はさらに困難になってきます。またそれに伴い外国人材の活用も今以上に進む可能性があり、誰でもできる仕組みづくりが重要になってきます。
- グローバル競争の激化
インターネットの普及や新興国の台頭により、仕入れ先の多様化でコスト競争が激化しています。そのため、低コストで高品質な製品が要求されるようになってきています。また日本国内でも後継者不足で技術の継承が難しく、品質の低下も危惧されており、品質面でも諸外国の台頭も顕著になってきています。
- 顧客ニーズの多様化
流行のサイクルが短くなり、エンドユーザーの要望も多様化してきています。そのため、メーカは、製品の品質だけでなく、納期やカスタマイズにも高い要求をしてきており、製造業も多品種少量生産などの柔軟な対応が求められています。
- 日本の生産性が低い理由とは何か
日本の製造業は、かつては高い生産性で世界をリードしていましたが、近年は他の国に遅れをとっていると言われています。その原因としては、以下の点が挙げられます。
- 過去の成功体験への固執: かつての成功体験にとらわれ、新しい技術や手法の導入が遅れている。
- 中小企業の生産性格差: 大企業と中小企業の間で生産性格差が大きく、中小企業の生産性向上が課題となっている。
- 労働者のスキル不足: 技術革新に対応できる人材が不足している。
- 非効率な業務プロセス: 過去の慣習にとらわれ、非効率な業務プロセスが依然として残っている。
- 現場の生産性を向上させるためのステップ
生産性を向上させるためには、以下のステップを踏むことが重要です。
- 現状分析
現在の生産状況や管理体制を客観的に分析するための数値の見える化を行い出てきた数値の分析を行うことで問題点や課題点を洗い出す。
- 解決方法の検討
課題が明確になれば、その解決策を検討します。やみくもに考えるのではなく費用対効果を踏まえて優先順位を決定します。
- ミッション・ビジョン・目標設定
生産性向上のために未来に向けたミッション(目的)・ビジョン(ゴールイメージ)を策定し、全社員に落とし込み全社員が当事者意識を持って生産性向上に取り組む姿勢を創る必要があります。そのためにミッション・ビジョンの具現化を行うための中長期的な目標を設定していきます。
- 改善策の実施:
目標に向けて推進していく中でさらに課題が出てきます。その課題に対して適切な改善策を講じていく必要があります。
- 効果測定
それぞれの施策に対して期待される効果が出ているかどうかを測定し、PDCAサイクルを回します。
- 生産性が向上した事例7選
◆事例1:株式会社倉岡紙工(紙製品製造業)
URL:https://kuraokashiko.co.jp/
概要
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社名 |
資本金 |
従業員数 |
事業概要 |
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株式会社倉岡紙工 |
1,000万 |
30名 |
パルプ・紙・紙加工品製造業 |
株式会社倉岡紙工は、熊本県嘉島町にある1965年創業の紙製パッケージや美粧段ボールなど紙製品の企画・設計から製造までを手掛ける企業です。3代目の倉岡和徳社長が入社した2013年、工場は老朽化が進み、「暗い・きつい・汚い・危険」といういわゆる4K職場であった。入社当初は製造現場に配属され、現場で山積する課題の洗い出しや分析を進めてきた倉岡社長は、熊本県で若く優秀な人たちが働く職場をつくりたいという思いから、職場環境改善に着手。さらに、下請受注中心の事業構造からの脱却や、DXによる生産性向上を志向する中で、2016年の熊本地震による本社工場半壊をきっかけに工場建て替えを決意し、DXによる職場環境改善と新規需要獲得に向けた取組を加速させることとなった。
工場新設では若手社員をプロジェクトに抜擢し外部機関と連携しながら人手の掛かる重労働となっていた作業工程も機械化し、作業負担削減にも取り組んだ。資金や人材といったリソースが限られる中、多額の投資をして全てを一挙に解決しようとするのではなく、「まずは従業員のペインを取り除く」という考えに基づき、社内のボトルネックを特定し、できるところから必要最小限の取組を行う「身の丈DX」が成功のカギとなったそうです。
身の丈DXで業務の効率化が進み、業績向上や人材確保への好循環につながったことから、デザイナーを採用してパッケージの企画部門も新設したことによって、デザインから製造までの一貫対応が可能になり、土産物や産地直送品の箱など新たな受注も獲得。DXや新規需要獲得に向けた取組の結果、顧客社数は新工場稼働前の約20社から約100社超に、従業員数は2013年時点の13人から30人に増加した。かつては印刷会社からの下請が100%に近かったが、現在はエンドユーザーからの直接受注が半数以上を占め、自社のデザイン企画を伴う受注も30~40%に上るまでにビジネスモデルは変貌しまさにDXになっている。
◆事例2:株式会社広島メタルワーク(金属製品製造業)
概要
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社名 |
資本金 |
従業員数 |
事業概要 |
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株式会社広島メタルワーク |
1,000万 |
53名 |
金属加工業(ステンレス・アルミ) |
広島県広島市の株式会社広島メタルワークは、産業用機械部品の精密板金加工などを手掛ける企業。「中小企業である当社も、デジタルツールを活用した効率的な生産管理を進めなければ未来はない」と考え、1995年からDXにいち早く取り組んだ。しかし生産管理システムを一から構築するには、費用が高額であり、またIT 人材の確保も容易ではない。そこで、約3,000万円の市販のソフトを購入したが、接続台数に制限のある点がネックとなり、さらに各生産工程で必要なPC台数分をそろえるには1億円を超える費用が掛かるため、限られた工程でしか使用できなかった。前田社長は「生産管理は、受注の入口から出口までを管理することが重要」と考えており、生産工程に従事する全員がリアルタイムで各工程の進捗を把握でき、かつ導入費用が安価な生産管理ソフトの導入を模索していた。そのような中で、中小企業8社の経営者と、生産管理の勉強会を継続的に実施し、2003年、メンバーの一人と面識のあった静岡大学教授の協力を得たことを契機に、共同で生産管理ソフトの開発に着手。勉強会で生まれた生産管理のアイデアを取り入れ、8社のどこの使い勝手にも特化しないフラットな仕様をスタンダードとして、中小製造業に特化した生産管理ソフト「TED」を開発。「TED」の特徴は、簡易かつ直感的な操作性と、同時接続台数に制限がなく、導入費用はフルスペックで約1,000万円と大手ベンダーが提供するソフトと比較して安価であった。代表は開発過程において「自社開発では自社のこれまでのやり方を『正』として、開発が進む。他社との共同開発だと、意見を交わす中で必ずしも自社が『正』ではなかったことに気付くことができ、それがより良い開発の実現につながった」と話している。
同社は、2017年に「TED」を全面導入し、各社員のPCで受注ごとの生産工程や図面等がリアルタイムで確認可能となり、生産現場には、画面の視認性を重視して大型モニターを配置するなどの工夫も行った。導入効果として、進捗確認のため現場を見に行く、図面を探すといった、人員の無駄な動きが減るとともに、図面の視認性が向上したことで作業の間違い防止にも寄与した。導入当初の2017年と2021年を比較すると、社員一人当たり売上高が8.6%増加した一方で、労働時間は15.9%減少し、生産性は飛躍的に向上している。さらに、「TED」導入以降に蓄積されたデータを活用し、製品ごとに過去に不良品が発生した工程をアラート表示して注意喚起することで、不良率は97%も減少する結果になった。「DXを進める肝は、今の会社の仕組みに合わせてデジタル化を進めるのではなく、既存のデジタルツールに合わせて仕組みを変えていくことだ。当然、最初は社員からの反発は出るが、結果を出せれば社員の意識も変わってくる。経営者自ら未来を語りながら強くリードしていくしかない」と前田社長は語っている。
◆事例3:株式会社リノメタル(金属加工業)
概要
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社名 |
資本金 |
従業員数 |
事業概要 |
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株式会社リノメタル |
1億円 |
101名 |
金属プレス加工・熱処理加工による機能部品の量産 等 |
株式会社リノメタルは、埼玉県八潮市で機能部品の製造や金属プレス加工を行う金属加工業者です。同社は「既存顧客への柔軟な対応」「新規顧客開拓」の実現のために、製造以外の事務における「業務の非効率さ」「伝達・連絡ミス」「ノウハウ・データの属人化」を改善するためにDXを推進し、生産管理における「工数・ミス・ミス処理時間」の削減に成功しました。
同社は従来、製造以外の事務作業において、非効率性・伝達の不確実性・属人化という3つの問題が発生していました。これらを解消するため、「会社まるごとDX化」として5年間で28個のクラウドサービスを導入し、会社全体のDXを推進しました。また、製造現場にものづくり補助金を活用して1億円近くを投資し、生産管理システムを導入しています。
その結果、月間当たり268.6時間の工数・358件のミス・332時間のミス処理時間の削減に成功しました。また、DX推進により大手自動車部品メーカーからの大型案件受注に成功し、年間売上が12.7億円飛躍しました。
DX推進においては、経営トップ自らが世界中にアンテナを張りクラウドサービスの最新情報の入手しながら、自社の問題分析・課題設定を実施。既存業務を新システムに移行する際に従業員の反発もあったそうですが、「このシステムを使うとどのような明るい未来が待っているか」を経営トップが伝え続けた。
また、DXはスピードが重要であるため「不完全である勇気をもって70点で動き出す」ことを大切にして環境整備を行い、DX環境を活かすための様々な人事制度やIT人材を育成するための制度も作りました。
経営トップはDX推進の成功要因は「DX推進✕組織・人づくり」であるとしていてDX推進は経営トップの推進とそれを実行していく組織織・人材の育成が重要でることがわかります。
◆事例4:山口産業株式会社(製造業)
URL::https://membry.jp/
概要
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社名 |
資本金 |
従業員数 |
事業概要 |
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山口産業株式会社 |
2,000万円 |
138名 |
膜構造建築物製造、合成繊維等の製造・販売 |
山口産業株式会社は、佐賀県多久市で膜構造建築物や合成繊維などの製造・販売を行う会社です。デジタル技術やシステムを導入することにより、全部門の工程を効率化し、生産性を向上することに成功しました。
同社は、不安定な世界情勢やパンデミックなどにデジタル技術で対応してきた経験から、今後の社会情勢やビジネス環境への急激な変化にも柔軟に対応できるよう事業環境作りとしてDXを推進しています。
具体的には、DX人材育成を社内プロジェクト化し、DX関連資格の取得を人事評価に組み込み、デジタル技術部門に集中していたDX推進を、若手・ベテラン社員を組み合わせた委員会を設置するなどをすることでDX人材を確保し、月次経営会議でDXを定期議題にしてDX推進に適したガバナンスシステムを構築しています。また、5年間で40以上ものシステムやツールを導入したことで、生産性を大幅に向上させました。特にHP上で製品サイズや仕様を2Dでシミュレーションできるシステムを実装し販売支援に取組んでいる。
同社はDX推進をすることで、生産性が向上しただけでなく、自社の問題点や将来像にも気が付く自律的な社員が増加したことが推進を加速できた理由のようです。
◆事例5:株式会社髙梨製作所(製造業)
URL:https://www.takanashiss.com/
概要
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社名 |
資本金 |
従業員数 |
事業概要 |
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株式会社髙梨製作所 |
10,000千円 |
20名 |
熱可塑性および熱硬化性プラスチック射出成形、金型製作 |
株式会社髙梨製作所は、山形県西村山郡河北町でプラスチックの射出成形や金型製作を行う製造業者です。同社はDX推進により、生産性の向上や業務の省力化を実現しています。
同社は、会社の所在地である山形県の人口減少は深刻化し、これまでの業務体制を維持するのは困難だと考えました。そこで、「24時間無人稼働する工場」の実現(社外から製造機械の稼働状況等の確認が可能)を図り、従来よりも少人数で稼働できる工場を目指しました。また、部門横断的な生産管理システム導入によるデータに基づいた生産活動で歩留まり率を99.2%から99.8%に改善。IoT測定計器の開発により、社内設備の消費電力の解析と省エネ効果を上げ、20%の電力使用量を削減することに成功。
同社は、DX推進のため一般的なシステムをカスタマイズすると費用が高くなりすぎるため、コストパフォーマンスの観点から機能の検証を行い、自社に最適なシステムを導入しました。
現在では、システムの導入により社外からでも工場の状態が確認できるようになったため、工場が無人で稼働できるようになっています。また、生産状況を記録・トレースできるようになったことに加え、従業員の負担が軽減したことで働きやすい環境も構築でき、改善提案も社員から出てくるようになっているようです。
当初は経営トップが主導してきた中で意識改革ができたことが成功の秘訣とのことです。
◆事例6:有限会社永井製作所(製造業)
URL:https://www.nagaiseisakusyo.com/
概要
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社名 |
資本金 |
従業員数 |
事業概要 |
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有限会社永井製作所 |
5,500 千円 |
14名 |
金属プレス金型の設計製作 |
有限会社永井製作所は、 群馬県邑楽郡邑楽町で金属プレス金型の設計製作を行う製造業者です。同社は、DXを推進することにより人材育成の短期化と生産性の向上を実現しています。
同社は、急速に変化する社会情勢から、自社の未来が明確に描けない状況に危機感を持っていました。そんな中、その後2023年のDXセレクションの準グランプリを獲得した社長との出会いもあり、DX推進に取り組むことを決断しました。
同社は、属人化していた金型づくりを、デジタル技術を活用して改革し、熟練技術者がいなくても業務を回せるような体制の構築を目指しました。未経験者の新鮮で自然な視点から生まれる改善案をデジタルで具現化することで誰でもできる金型作りを目指しました。当初は勤続年数が長く経験豊富な社員ほどデジタルへの拒絶反応が高く進捗させることが難しい状態であったが、経営者自らが取り組みを強制しながら、デジタルで楽を得る実感を共有することで全社員の自発的な行動を促進していきました。
その結果、人材育成の期間が80%短縮し、年間の金型製作の請負能力を1.5倍向上させ、売上も9年前と比較し1.5倍に向上。5年後は25%の売上向上を目標にしています。デジタル技術により業務が可視化されたことから、経験の浅い従業員が中心の現場でも高い品質の業務を実施できているようです。
◆事例7:旭工業株式会社(精密板金業)
概要
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社名 |
資本金 |
従業員数 |
事業概要 |
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旭工業株式会社 |
10,000千円 |
62名 |
液晶半導体機器、電力インフラ機器、食品機器、水インフラ機器、医療機器業界の精密板金部品の製造 |
旭工業株式会社は、東京都荒川区に本社を構える液晶半導体や電力インフラなどの機器を取り扱う総合金属加工メーカーです。市場で生き残り、事業を成長させるには、デジタル化による業務最適化が必要だと考え、DXを推進しています。
同社は、DXを推進するために情報処理環境を見直し、情報の可視化を図りました。これまで見えていなかったことが、生産管理システムや社内ソフトなどでいつでも確認できるようになったため、業務改善が図りやすくなっています。また、18年分の生産データを活用し成果(工数)の見える化をすることで従業員自身の成長も見えるようになり、モチベーションアップにも寄与しています。
その結果「溶接出来高工数」は31%UP、「組立目標工数達成率」は80%UPを実現。数字的根拠の無い感情論から、数字的根拠の有る情報を見える化して共有する事で、QCDが向上し、大手上場企業のより取引企業の中で最優秀企業賞を受ける事ができ、売り上げも増加した。平成17年から平成30年はIT化(工場の生産管理システムの連携)で49%の売上UP、平成30年から令和5年はDX推進で22%の売上向上となっています。
DXの推進により、業務効率を向上させ、DX推進の時間の確保や社外システムや積極的な外部委託などとの連携を行うことなど小さいことの積み重ねで効率化を行うことで、みんなが楽に仕事が出来るようになり、新たな付加価値創造につながったそうです。
出典:経済産業省「DX Selection 2024」、中小企業白書2025年版
住友電設では、グロサポという製造業を対象とした生産等に関するデータで未活用のデータ(以下、データ)の可視化と、データの具体的な活用方法について、コンサルタントが定期的にアドバイスを行うサービスを実施しています。
■グロサポサービス動画 ※クリックでYoutube動画が再生されます
※グロサポはIT補助金対象ソリューションです。
グロサポ活用の2つの事例を下記のリンクでご紹介します。是非ご確認ください。
事例1:工作機械の稼働率向上を図るためにグロサポを採用
https://www.sem.co.jp/inet/result/detail/2
事例2:より効率的な製造ラインの運用に繋げるためにグロサポを採用
https://www.sem.co.jp/inet/result/detail/1
まずは大きな費用を掛けずデータ収集を行い、効果的な改善方法を決めていき将来像と目標値を設定しながら少しづつ領域を拡大していく方が資金的にも安心ですし強く推進をしていくための確信が持ちやすいので第一歩としてデータ収集と分析から初めましょう。
- 事例の自社への活かし方の解説(フレームワーク)
これらの事例を自社に活かすためには、検討していくためのフレームワークをご紹介します。最後に無料でフレームワークのシートをダウンロードができますのでご活用ください。
◆問題を発見する ビジネスフレームワーク
問題を発見するビジネスフレームワークを5つ紹介します。
- As is / To be
As is / To be (アズイズトゥビー)は、現状「As is」と、あるべき姿「To be」を明確にし、ギャップ(問題)を確認する方法です。
「As is」は英語で「そのまま」の意味です。「To be」は「〜になりたい」という意味になります。現状を左に書き入れ、あるべき姿を右側に入れることでそのギャップを可視化して本質的な課題を考えます。
- 6W2H
6W2H は、問題があるけど、解決できていない。多面的に調査したい場合にオススメな方法です。一つ一つの課題ごとに6W2Hを埋めていくことで簡単に課題の明確化をすることができます。
- SWOT分析
「強み(Strength)、弱み(Weakness)、機会(Opportunity)、脅威(Threat)」の4事象に分けそれぞれの自社部門毎の状況を埋めていきます。可視化された弱みを強みに変化させられることはないかを検討し強みに変える施策を検討していきます。
また元々マーケティングの手法なので経営戦略を検討する際にも活用できます。
- なぜなぜ分析
なぜなぜ分析は、問題に対して「なぜ?」と繰り返し問いかけることで、ものごとの本質に気付ける方法です。
- コントロール可能 / 不可能
問題に対して自分たちにコントロールできること、できないことを分けるフレームワークです。課題や悩みは実は自分たちにコントロールできないところにあることが多いので、このフレームワークをすることで自分たちにできること(コントロール可能)を明確にし、そこにフォーカスすることで状況を変えるために行います。
◆問題を整理する ビジネスフレームワーク
- ロジックツリー
ロジックツリーは、ものごとを分解していくことで、情報を整理し課題を明確にしていく方法です。特に漠然とした課題感がある時に抽象を具体化していけます。難しい問題だと思っても、分解することで課題解決は簡単な場合があり、それに気が付きやすくなります。
- 課題設定シート
課題設定シートは、問題に対して次に行うべき課題を決めるフレームワークです。
・問題:あるべき理想と現実のギャップを書き出します
・課題:問題を解決するために、取り組むべき必要があることを羅列します。
◆優先順位を決める ビジネスフレームワーク
ここまでのフレームワークで問題・課題が明確化されるとその課題の優先順位を決めるビジネスフレームワークを活用します。
- 緊急度 / 重要度マトリクス
緊急度 / 重要度マトリクスは、多数ある課題に対して適切に優先順位をつけるためのフレームワークです。全体像を把握し、何から手を付けるかを整理します。
ただし、人は重要度より緊急度を優先しがちです。そのため緊急度が低いが重要度が高いものより、重要度は低いが緊急度が高いものを優先します。中長期的な視点考えると緊急度は低いが重要度が高い業務(これがDXになりがち)を優先的に行うために強制的な時間確保が必要です。
- 意思決定マトリクス
意思決定マトリクスは、多数ある課題を一つずつ定量化し、優先順位をつけるためのフレームワークです。課題ごとに必要な要素を決め定量化することで費用対効果を明確にでき、意思決定の手助けをします。
- まとめ
製造業における生産性向上は、企業の存続をかけた重要な課題です。IoT、ロボットの導入、従業員のスキルアップ、AIの活用など、様々な改善策を組み合わせながら行っていくことが大切です。自社の状況に合わせて、最適な改善策を選び、小さい一歩からでも良いので確実に実行することが重要です。事例でもあったように、一気に進めようとせず、身の丈に合った内容から実施を行い社員に効果を実感してもらうことで全社一丸となって推進していく雰囲気を醸成することが重要です。
そして成功のカギは目的と改善の明確化です。実施することが目的になると狭い範囲しか見えず部分最適になりがちです。そのため、DXが会社経営上でどのような目的を持っているのかを明確にしていきましょう。
また、生産性向上を成功させるためには、改善すべき点を明確にすることも重要です。フレームワークを活用しながら現状分析を徹底的に行い、ボトルネックとなっている部分を特定しましょう。また、改善目標を数値化することで、進捗状況を客観的に評価することができます。
また実際の企業の事例は参考にできる事が多いと思います。今回ご紹介した5つの事例ですが、どの企業もDX成功の要因は人材面にあったと言っています。従業員がDXに対し主体的に行動できるかが成功の秘訣であることが分かります。まずはそこをポイントにしてフレームワークを活用して自社の課題を明確化していってください。


