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デジタル化だけではDXではない!

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~違いを知って自社課題を解決し会社を拡大させるDXの推進方法を解説~

“蓄積されたノウハウを活かし、最適なシステムをトータルサポート”として様々なソリューションを提供している住友電設情報通信システム事業部が、製造業等に向けて様々な情報をお届けしたいと思っております。

今回は最近重要性が高まっている“DX”の本質と間違いやすいデジタル化との違いについてお伝えしたいと思います。

 

■目次

1.デジタル化することがDXではない

2.DX化に立ちはだかる自社課題をチェック

3.DX推進によるメリット・デメリット

4.DX推進のロードマップ

5.まとめ

1.デジタル化することがDXではない

2018年に経済産業省が発表した通称「DXレポート」火付け役となり、DX(デジタルトランスフォーメーション)という言葉は浸透してきました。しかしここで留意したいのは、今なお多くの方がデジタル化=DXと誤解しており、「デジタル化」と「DX」の認識を区別して認識していないケースが散見されるということです。

中小企業庁の中小企業白書2024年版では下記のようにデジタル化を4段階に分けて表示しています。第4段階がDX(デジタルトランスフォーメーション)、第2(デジタイゼーション)、第3段階(デジタライゼーション)となっています。

※出典:中小企業庁 中小企業白書2024年版

https://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/2024/PDF/chusho/00Hakusyo_zentai.pdf

これは、令和2年の「デジタルトランスフォーメーションの加速 に向けた研究会」がまとめた「DXレポート 2」でフレームワークとして示された下記が参考になっています。

出典:経済産業省(2020a)「デジタルトランスフォーメーションの加速に向けた研究会DXレポート2(中間取りまとめ)」

https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/digital_transformation_kasoku/pdf/20201228_3.pdf

つまり例えば以下のような施策はDXというよりデジタル化となります。

  • 社内資料を紙媒体からクラウド等を用いたデータ保管にする。
  • 打合せや会議を対面ではなく、リモートツールを用いて実施する。
  • 契約締結や申請書をオンライン上で登録し、必要部署・上長へ回覧する。
  • 経費精算システムを導入する。
  • 採用活動を求人広告・雑誌ではなく、SNSやダイレクトリクルーティングを活用する。

 

もちろん働き方の一端をデジタル化(=第2段階、第3段階)することで、効果はあります。しかし、DXとはいえません。DX(第4段階)に達することで飛躍的に効果が高くなるという結果がもありますので、デジタル化はあくまでもDXの前段階でしかないことだということを認識しておく必要があります。

 

では、DXとはなにか。

日本におけるDXは『企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること』と2018年に経済産業省が取りまとめた「デジタルトランスフォーメーション(DX)を推進するためのガイドライン(現:デジタルガバナンス・コード2.0)」内で定義されています。

※参照:デジタルガバナンス・コード2.0 P2 

https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/investment/dgc/dgc2.pdf

この定義に照らし合わせると前述のデジタル化は、“データとデジタル技術を活用”しているとは言えますが、まだDXの途中であるということです。DXで重要なのは、データやデジタル技術を活用したうえで“変革し競争優位性を確立”することにあります。

 

つまり、DXとは経営者が自社に対する将来的な経営ビジョンを実現するための手段でなければなりません。経営者の方針・指揮があってこそ、DXは実現できます。そのためには、経営者が自社の現状を分析した上で競争優位性を確立するための課題を明確化すること、そして将来的な経営ビジョンに対する具体的な戦略を立てることが求められます。それらの戦略の実現により「従業員に対する働きやすさ」「業務効率化」「コストカット」など、企業は業績や利益を最大化するチャンスを得ることができ、市場での地位を強化できると共に「新製品・新サービス展開」といった企業成長においての促進剤になりDXとなっていきます。つまり、DXは広義的に社員またはユーザーの不満や課題を解決し、満足度をも向上することで企業・組織だけでなく社会において便利で有益なものとなることが大事な要素なのです。

 

2DX化に立ちはだかる自社課題をチェック

DXへの取組に関して、2025年版の中小企業者白書ではDXに向けた問題点を取組段階別に調査した結果は以下のようになります。

出典:中小企業庁 中小企業白書2025年版 https://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/2025/PDF/chusho/00Hakusyo_zentai.pdf

本調査の結果を見ると、第2、第3段階では「費用の負担が大きい」又は「DXを推進する人材が足りない」と回答する事業者の割合が高く、第2段階では「どのように推進すればよいかわからない」という項目が他に比較して高くなっています。DX人材の不足は第4段階に至っている企業でも37.3%もあることから人材獲得競争になっているのですぐには解決しないでしょう。そうなると、外部業者・外部人材の活用や社内の人材育成が必要になってきます。第2段階の事業者は、「どのように推進すればよいかわからない」という回答が比較的高いところを踏まえると、適切な外部業者に相談していくことが必要になってきます。また、費用負担に関しては補助金の積極的な活用や金融機関などへの相談が必要ですが、その際に重要なのは、経営者自身がDXに対する優先順位を高める必要があります。

3DX推進によるメリット・デメリット

総務省の「令和3年版情報通信白書」では日米の比較が取り上げられており、DXに取り組む日本企業が米国企業並みに増加した場合の変化の推計結果によると製造業では売上高を約23兆円、非製造業では約45兆円をも押し上げる効果があると想定されています。しかし、DXを推進する一端でもある「デジタル技術の導入状況」では日本企業が米国企業に全ての項目で遅れをとっている状況です。

 

また、財務省による「財務局調査による「先端技術(IoT)、AI等」の活用状況」について」では、先端技術の利用目的は「業務効率の向上」が69.5%、「コスト削減」が39.3%となっています。それに反しDXで目指すべき「新製品・サービスの開発」は6.3%、「新事業への進出」は1.8%と著しく乏しい結果となっていることが見て取れます。

 

出典:総務省:令和3年版 情報通信白書のポイントhttps://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r03/pdf/01point.pdf

 

2025年版中小企業白書によると、DXへの取組段階別の効果は以下のようになっています。

出典:中小企業庁 中小企業白書2025年版 https://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/2025/PDF/chusho/00Hakusyo_zentai.pdf

この調査結果を見ると、「とても効果を感じている割合は段階3と段階4で売上面は4倍、コスト面・人材面では3倍ほど差ができています。段階2と比べると大きな開きです。これは段階4まで進むと一気に効果が大きくなることを意味しています。段階4では売上面では効果を感じている割合は7割を超えていることから、段階4まで押し上げることは持続性の高い事業成長にとって不可欠なものだと言えます。段階2、3の中で効果を考えるのではなく段階4まで想定したロードマップを作成し経営者自身がリーダーシップを発揮して推し進めることが重要です。

 

4DX推進のロードマップ

経済産業省の「中堅・中小企業等向け デジタルガバナンスコード 実践の手引き2.1」の「DX実現に向けたプロセス」では下記の4段階が示されている。

  • 意思決定:経営理念見直し、経営ビジョン明確化、推進戦略策定
  • 全体構想・意識改革:変革に向けた関係者の巻き込み、意識改革
  • 本格推進:データ分析・活用に向けた業務のプロセス見直し、システム構築
  • DX拡大・実現:顧客接点やサプライチェーン全体に変革を展開

経営者が①及び②を担い、③及び④を社内のDX推進担当者が担うと共に、必要に応じて経営支援機関やITコーディネータ等の外部人材の活用しつつ、DX推進を取組む中でノウハウを蓄積しながら人材育成に取り組む必要があると挙げられています。

※参照:デジタルガバナンス・コード2.1 

https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/investment/dx-chushoguidebook/dxtebiki2.1.pdf

 

外部人材の活用に関しては、株式会社野村総合研究所の「令和2年度中小企業のデジタル化に関する調査に係る委託事業 報告書」からも外部パートナーを活用することで成果を実感している企業の割合は77.2%(十分に成果が出た:15.2%、ある程度成果が出た62.0%)を占めていることもあることから積極的に取り入れることを検討すべきです。


※出典:株式会社野村総合研究所の「令和2年度中小企業のデジタル化に関する調査に係る委託事業 報告書」

https://www.meti.go.jp/meti_lib/report/2020FY/000260.pdf

 

また、経済産業省の同資料では事例調査から得た「DXの成功ポイント」として下記の6つが挙げられています。

  • 気づき・きっかけと経営者のリーダーシップ
  • まずは身近なところから
  • 外部の視点、デジタル人材の確保
  • DXのプロセスを通じたビジネスモデル・組織文化の変革
  • 中長期的な取組の推進
  • 伴走支援の重要性と効果的な支援のポイント

こういったポイントを参考に、DXは“大手がやることだ”“敷居が高い”“自分たちにはまだ必要ない”と考えず、まずは身近なところから始めればよいということです。そして経営者は自社に合った経営ビジョンを明確にし、戦略を計画するために、まずは自社の業務プロセスやデータ分析などを経て、自社課題(ビジョン)を追及することから始める必要があります。自社課題の追及と共に現状把握と課題の洗い出しをすることで、自社の組織風土やビジネスモデルにあった戦略的計画を立てることができるようになります。ここを省略し、他社事例やノウハウを単に真似るだけになると自社のビジネスモデルとの不一致や、経営者・(外部人材)・従業員の足並みが揃わないといった部分から失敗に繋がってしまう可能性があります。そういった観点からも「DX実現に向けたプロセス」にある①意思決定及び②全体構想は重要なステップです。DXを推進する上で経営者の慎重な決断と自らが役員・従業員へ呼びかけ社内を変革していくことが重要な位置付けにあるといえるでしょう。

5.まとめ

いつの時代でも企業は市場の変化に合った変革を求められます。現代ではスマートフォンの普及など市場そのものがデジタル化の傾向にあります。また顧客ニーズも偏りつつありDXが企業の存続を握ると言っても過言ではない時代背景にあります。確かに変革には失敗も付きものなので、できるだけ失敗はしたくないという考えがあるのはわかります。しかし会社の持続的な成長を考えるとDX化は必須になってきます。DXは市場の変革に合わせた企業の変革をスピーディーに行うために必要な要素です。変革と失敗を恐れず、積極的なチャレンジ精神を持って試みることが重要で、そのためには変革と失敗の責任をとれる経営者の意識改革が最も重要な要素になってきます。企業存続のために積極的にITを活用しながらDX化を目指していきましょ
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