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スマートファクトリーって何から始めればいいの?

~スマートファクトリーを進めるには、小さくてもまずは第一歩を確実に踏み出すこと!一歩踏み出すと見えてくる未来の企業像~
“蓄積されたノウハウを活かし、最適なシステムをトータルサポート”として様々なソリューションを提供している住友電設情報通信システム事業部が、製造業等に向けて様々な情報をお届けしたいと思っております。
今回は、スマートファクトリーを実際に進めていくために必要なことを解説していきたいと思います。是非ご覧いただき、初めの一歩を進める手助けになればと思っています。
スマートファクトリーとは何かに関しては別の記事「スマートファクトリーとは?」を御参照ください。
http://smartdx.sem.co.jp/media/security/a6
■目次
1. スマートファクトリーが進まない理由
2. スマートファクトリーの効果は中小企業の方が感じやすい
3. スマートファクトリーの第一歩はデータの見える可
4. スマートファクトリーの成功の鍵は意識改革
5. スマートファクトリーのステップを紹介
6. まとめ
1. スマートファクトリーが進まない理由
スマートファクトリーを進めるメリットはわかっているけど、いざ導入しようとしても、思ったように進まないことや、思わぬ落とし穴にはまってしまうケースが少なくありません。スマートファクトリーが進まない理由を踏まえ、小さいステップを重ねることで効果を感じてもらえると一気に進捗させることもできます。まずはスマートファクトリーが上手く進まない理由から見ていきましょう。
① 現場と経営層の認識のズレ
スマートファクトリーの最大の課題は、“現場と経営層の認識のズレ”です。経営層は、費用対効果を重要視しがちなのでスマートファクトリー導入による“生産性向上”や“コスト削減”に大きな期待を寄せる一方で、現場では、現状維持バイアスが働き“新たなシステムの導入”や“仕事のやり方の変更”“仕事が無くなってしまうのではないか”等の不安を感じています。この認識のズレが、改革への抵抗感を生み、プロジェクトの停滞や失敗に繋がってしまいます。そのため経営者と現場のコミュニケーションを活性化させると共に、会社の将来ビジョンと従業員のビジョンが一致させるように共通化していく努力が必要です。
また経営者の求めるスピードと現場が合致しない場合にも軋轢が生まれやすくなります。すべてを一度に進めようとせず、小さいところ(1ラインから等)から始め、効果を実感できるようにすることで、先に進む意欲も高まります。
② 具体的な目標・指標の設定不足
スマートファクトリーを成功させるためには、“明確な目的”“具体的な目標”とその進捗を確認するための“指標”の設定が重要です。目標自体が曖昧であったり、IT化(システム導入や数値の見える化)をゴールにしてしまうと正しい進捗状況が把握できないばかりか、本来の目的である生産性向上やコスト削減などの企業価値向上に繋がりません。そのためにまずはスマートファクトリーを行う目的を明確にしましょう。
そのうえで具体的な目標を立ててください。目標を設定する際は“SMARTな目標”を設定してください。このSMARTとは下のそれぞれの頭文字です。
● Specific(具体的)
● Measurable(測定可能)
● Achievable(達成可能)
● Relevant(関連性のある)
● Time-bound(期限付き)
目的を踏まえてSMARTになるように目標を設定することで。その進捗を確認するための定量的な指標が設定できます。
例えば生産性、品質、コスト等に関して定量的で具体的な指標を設定することが大事です。ただ、使いやすさ・満足度など、一見定量的にしにくいものもありますが、定性的な「満足度を高める」という目標ではなく、「●●のような意見を年間●●件もらう」、定期的にアンケートを実施してその結果を目標にするというように定量的な指標を探し設定をします。その後は定期的に測定した結果を確認し、関係者で共有をしながら改善策や加速させるのか、一旦止まるのか等を議論していきましょう。定量指標という数値的な分析結果は、結果が分かりやすい部分でもあるので、わかりやすい指標を設定することで目標の進捗度が格段に上がります。
③ 適切な人材の不足
スマートファクトリーを進めていくためには、高度なITスキルや統計・データ分析の知識とスキル。それぞれの製造業での専門知識を持った人材が必要となります。しかし、製造業は人材不足も深刻な課題であり、スマートファクトリーに必要な人材を確保するのは容易ではありません。IPA(独立行政法人 情報処理推進機構)の「DX動向2024 - 深刻化するDXを推進する人材不足と課題」では、米国の2022の調査と日本の2021年~2023年の調査を比較しており、年々“大幅に不足している”の割合が増え、2023年では62.3%が大幅な不足感を感じている結果になっています。

※出典:IPA(独立行政法人 情報処理推進機構)の「DX動向2024 - 深刻化するDXを推進する人材不足と課題」より引用
https://www.ipa.go.jp/digital/chousa/discussion-paper/f55m8k00000039kf-att/dx-talent-shortage.pdf
そのため、外部人材の活用・産学連携などの活用で現状の課題に取り組みつつ、既存社員の教育やIT人材の採用強化など長期的な視野での人材確保を考えていく必要があります。採用や社内教育を行っていくためにも、まずはIT化・スマートファクトリーにどんな小さい部分からでも良いので取組始めることが重要です。少しでも取り組みが始まっていれば、それをアピールすることで採用しやすくなりますし、社内教育も間近に見ることで必要性を理解した方が教育に取り組みやすくなります。まずは外部人材や外部の専門会社などと取り組みを始めることが大事になります。
④ セキュリティ対策の不備
スマートファクトリーでは、工場内のデータをネットワークで繋ぐため、サイバー攻撃のリスクが格段に高まります。今までの向上はネットワークに繋がっていなかったため意識していないケースも多いですが、セキュリティ対策に不備があると、生産設備が停止したり、顧客情報が漏洩したりするなどの重大な被害が発生する可能性があります。そのため、セキュリティ監視や社員へのセキュリティ意識教育が重要になります。特に最近のサーバー攻撃はAI等の発達もあり、大規模で巧妙になってきているので最新の情報を収集し継続的に強化していくことが重要です。ネットワーク構築の段階からセキュリティ監視や教育を実施してくれる事業者を選定する等の対策が必要になります。
住友電設では、電源やネットワーク構築などのインフラ整備から、サイバーセキュリティ対策までワンストップで行っております。

■サイバーセキュリティワンストップサービスご紹介 ※クリックでYoutube動画が再生されます。

⑤ 経営体制の不備
スマートファクトリーは、経営層の強いリーダーシップとコミットメントがなければ成功しません。しかし、経営層が改革に関心を持っていない、責任者が不明確などの場合、プロジェクトが頓挫してしまう可能性や効果が限定的になる場合があります。
まずは経営者や経営層がスマートファクトリーの必要性と推進する決意を明確に示してリーダーシップをとることが重要です。また、スマートファクトリーの責任者を定め、そこに一定の権限を与えることが必要です。しかしながら、何となく良いのはわかるし、取り組みたいけど、何から初めて良いかわからないし、どのような効果が見込めるかもわからなければ大きな資金投資は難しいと考えると思います。まずは外部専門家等に相談し、スマートファクトリーを行うことで自社の未来がどのようになるかというイメージを持つことが大事です。
2. スマートファクトリーの効果は中小企業の方が感じやすい
スマートファクトリーと聞くと、大手企業が行うものではないかと感じる方も多いのではないでしょうか。ある調査によると、スマートファクトリーに取組んでいる企業は2割程度という結果もあります。一方でその調査では取り組んでいる2割の企業のうち8割以上が効果を実感できているそうです。実はスマートファクトリーは中小企業の方が上手くいく場合も多く、効果も実感しやすいです。
理由は、上述しているように、スマートファクトリーを推進していくには経営者のリーダーシップやコミットメントが重要です。その点中小企業はトップダウンしやすい体制があります。一方で専門人材不足はあると思いますが、外部人材等で補うことや資金面でも中小企業向けの補助金等の活用を行うことで取り組みを始めることが可能です。
また、大企業では、規模が大きいことや関係先も多く従業員数も多いので進捗が遅くなりがちで、効果も限定的である場合は考課の実感がわきにくいですが、中小企業の方が大規模ではない分選択と集中で効果を最大化することができます。
3. スマートファクトリーの第一歩はデータの見える可
スマートファクトリーの推進に関して興味が湧いてくると、まずは何からすれば良いのだろうと考えると思います。スマートファクトリーと聞くとロボット技術の導入やAIの活用等が思い浮かぶかもしれませんが、まず第一歩はデータの収集とその見える化です。
スマートファクトリーの効果を実感として大きいのは生産性の向上です。そのため身は製造プロセスで収集したデータを品質向上に活用することが第一歩となります。
データ収集というと難しく聞こえる部分もありますが、センサーを設置して集まる情報を分析しそれをPDCAで回すこと繰り返すことです。
住友電設では、グロサポという製造業を対象とした生産等に関するデータで未活用のデータ(以下、データ)の可視化と、データの具体的な活用方法について、専門家が定期的にアドバイスを行うサービスを実施しています。

※グロサポソリューション動画 ※クリックでYoutube動画が再生されます

※グロサポはIT補助金対象ソリューションです。
グロサポ活用の2つの事例を下記のリンクでご紹介します。是非ご確認ください。
事例1:工作機械の稼働率向上を図るためにグロサポを採用
https://www.sem.co.jp/inet/result/detail/2
事例2:より効率的な製造ラインの運用に繋げるためにグロサポを採用
https://www.sem.co.jp/inet/result/detail/1
まずは大きな費用を掛けずデータ収集を行い、効果的な改善方法を決めていき将来像と目標値を設定しながら少しづつ領域を拡大していく方が資金的にも安心ですし強く推進をしていくための確信が持ちやすいので第一歩としてデータ収集と分析から初めましょう。
4. スマートファクトリーの成功の鍵は意識改革
スマートファクトリーを成功に導くのは“意識改革”です。人には現状維持バイアスが働くので“改革”に初めから前向きになりにくいので、それを期待するのは難しいと思います。特に現場では、スマートファクトリー化で自分の仕事がなくなるのではないか、自分の価値がなくなるのではないかと思う方が実際に多くいます。実際にスマートファクトリーの目的に一つには技術の継承があります。熟練工でしかできなかった作業を標準化して誰でもできるようにするということは、熟練工自身が自分の存在意義が減ると考え反対したり協力してくれないということは良くあります。
つまり、経営者だけではなく、会社全体で変わらなければいけないという意識を強く持つことが成功には不可欠です。そのためには、会社のビジョンだけではなく、従業員のキャリアパスも含めたビジョンを描き,伝え続けることで、社員全員がスマートファクトリー後の仕事に希望を抱き変革にワクワクする意識改革が重要です。
5. スマートファクトリーのステップを紹介
スマートファクトリーでは、いきなり大規模に行うより、スモールステップの積み重ねが重要です。

※出典:経済産業省中部経済産業局:スマートファクトリーロードマップ参照
https://www.chubu.meti.go.jp/b21jisedai/report/smart_factory_roadmap/roadmap.pdf
経済産業省が出しているロードマップのステップは下記の3段階です。
第1ステップ:データの収集・蓄積
第2ステップ:データによる分析・予測
第3ステップ:データによる制御・最適化
同資料では、「「品質の向上」「生産性の向上」「コスト削減」「製品化・量産化の期間短縮」「⼈材不⾜・育成への対応」「新たな付加価値の提供・提供価値の向上」「「その他(リスク管理の強化)」の7項目について各ステップに沿って具体的な方法も記載されていますので是非参照してください。
全ての項目の基本は上記のレベル1からレベル3のステップに分かれています。つまりこれが基本となるということです。一気に進めようとすると人材不足やリソース不足になりやすいので、まずは手の付けやすいところから初めて見ることが大事です。
手の付けやすいところとは、「データが収集しやすい」「現場が協力的」「上手くいかなくても経営に支障が少ない」ところです。そういう場所からスタートして成果を実感することで、現場も協力的になってきますし、リソースを割く覚悟もしやすくなると思います。まずはスモールステップから始めましょう。
6. まとめ
スマートファクトリーというと大企業のやることだと考えず、小さな第一歩から初めることが重要です。実際に取組んだ企業の8割以上が効果を実感しているというデータもあるので、取り組めば効果が得られる可能性はかなり高いですし、スマートファクトリーを取り入れている企業とそうでない企業の差は大きくなる可能性があります。とはいえ、経営環境や資金環境で余裕がない中でいざ進めようと思うと難しい面ばかり見えるかもしれません。しかし今後の生き残りを考えると取組む必然性はかなり高い状況になっていくと想定されます。そのためには小さな部分からで良いので、とにかく進めてみる、やってみるという気持ちで取り組みことが大事になってきます。
“蓄積されたノウハウを活かし、最適なシステムをトータルサポート”として様々なソリューションを提供している住友電設情報通信システム事業部が、製造業等に向けて様々な情報をお届けしたいと思っております。
今回は、スマートファクトリーを実際に進めていくために必要なことを解説していきたいと思います。是非ご覧いただき、初めの一歩を進める手助けになればと思っています。
スマートファクトリーとは何かに関しては別の記事「スマートファクトリーとは?」を御参照ください。
http://smartdx.sem.co.jp/media/security/a6
■目次
1. スマートファクトリーが進まない理由
2. スマートファクトリーの効果は中小企業の方が感じやすい
3. スマートファクトリーの第一歩はデータの見える可
4. スマートファクトリーの成功の鍵は意識改革
5. スマートファクトリーのステップを紹介
6. まとめ
1. スマートファクトリーが進まない理由
スマートファクトリーを進めるメリットはわかっているけど、いざ導入しようとしても、思ったように進まないことや、思わぬ落とし穴にはまってしまうケースが少なくありません。スマートファクトリーが進まない理由を踏まえ、小さいステップを重ねることで効果を感じてもらえると一気に進捗させることもできます。まずはスマートファクトリーが上手く進まない理由から見ていきましょう。
① 現場と経営層の認識のズレ
スマートファクトリーの最大の課題は、“現場と経営層の認識のズレ”です。経営層は、費用対効果を重要視しがちなのでスマートファクトリー導入による“生産性向上”や“コスト削減”に大きな期待を寄せる一方で、現場では、現状維持バイアスが働き“新たなシステムの導入”や“仕事のやり方の変更”“仕事が無くなってしまうのではないか”等の不安を感じています。この認識のズレが、改革への抵抗感を生み、プロジェクトの停滞や失敗に繋がってしまいます。そのため経営者と現場のコミュニケーションを活性化させると共に、会社の将来ビジョンと従業員のビジョンが一致させるように共通化していく努力が必要です。
また経営者の求めるスピードと現場が合致しない場合にも軋轢が生まれやすくなります。すべてを一度に進めようとせず、小さいところ(1ラインから等)から始め、効果を実感できるようにすることで、先に進む意欲も高まります。
② 具体的な目標・指標の設定不足
スマートファクトリーを成功させるためには、“明確な目的”“具体的な目標”とその進捗を確認するための“指標”の設定が重要です。目標自体が曖昧であったり、IT化(システム導入や数値の見える化)をゴールにしてしまうと正しい進捗状況が把握できないばかりか、本来の目的である生産性向上やコスト削減などの企業価値向上に繋がりません。そのためにまずはスマートファクトリーを行う目的を明確にしましょう。
そのうえで具体的な目標を立ててください。目標を設定する際は“SMARTな目標”を設定してください。このSMARTとは下のそれぞれの頭文字です。
● Specific(具体的)
● Measurable(測定可能)
● Achievable(達成可能)
● Relevant(関連性のある)
● Time-bound(期限付き)
目的を踏まえてSMARTになるように目標を設定することで。その進捗を確認するための定量的な指標が設定できます。
例えば生産性、品質、コスト等に関して定量的で具体的な指標を設定することが大事です。ただ、使いやすさ・満足度など、一見定量的にしにくいものもありますが、定性的な「満足度を高める」という目標ではなく、「●●のような意見を年間●●件もらう」、定期的にアンケートを実施してその結果を目標にするというように定量的な指標を探し設定をします。その後は定期的に測定した結果を確認し、関係者で共有をしながら改善策や加速させるのか、一旦止まるのか等を議論していきましょう。定量指標という数値的な分析結果は、結果が分かりやすい部分でもあるので、わかりやすい指標を設定することで目標の進捗度が格段に上がります。
③ 適切な人材の不足
スマートファクトリーを進めていくためには、高度なITスキルや統計・データ分析の知識とスキル。それぞれの製造業での専門知識を持った人材が必要となります。しかし、製造業は人材不足も深刻な課題であり、スマートファクトリーに必要な人材を確保するのは容易ではありません。IPA(独立行政法人 情報処理推進機構)の「DX動向2024 - 深刻化するDXを推進する人材不足と課題」では、米国の2022の調査と日本の2021年~2023年の調査を比較しており、年々“大幅に不足している”の割合が増え、2023年では62.3%が大幅な不足感を感じている結果になっています。

※出典:IPA(独立行政法人 情報処理推進機構)の「DX動向2024 - 深刻化するDXを推進する人材不足と課題」より引用
https://www.ipa.go.jp/digital/chousa/discussion-paper/f55m8k00000039kf-att/dx-talent-shortage.pdf
そのため、外部人材の活用・産学連携などの活用で現状の課題に取り組みつつ、既存社員の教育やIT人材の採用強化など長期的な視野での人材確保を考えていく必要があります。採用や社内教育を行っていくためにも、まずはIT化・スマートファクトリーにどんな小さい部分からでも良いので取組始めることが重要です。少しでも取り組みが始まっていれば、それをアピールすることで採用しやすくなりますし、社内教育も間近に見ることで必要性を理解した方が教育に取り組みやすくなります。まずは外部人材や外部の専門会社などと取り組みを始めることが大事になります。
④ セキュリティ対策の不備
スマートファクトリーでは、工場内のデータをネットワークで繋ぐため、サイバー攻撃のリスクが格段に高まります。今までの向上はネットワークに繋がっていなかったため意識していないケースも多いですが、セキュリティ対策に不備があると、生産設備が停止したり、顧客情報が漏洩したりするなどの重大な被害が発生する可能性があります。そのため、セキュリティ監視や社員へのセキュリティ意識教育が重要になります。特に最近のサーバー攻撃はAI等の発達もあり、大規模で巧妙になってきているので最新の情報を収集し継続的に強化していくことが重要です。ネットワーク構築の段階からセキュリティ監視や教育を実施してくれる事業者を選定する等の対策が必要になります。
住友電設では、電源やネットワーク構築などのインフラ整備から、サイバーセキュリティ対策までワンストップで行っております。

■サイバーセキュリティワンストップサービスご紹介 ※クリックでYoutube動画が再生されます。
⑤ 経営体制の不備
スマートファクトリーは、経営層の強いリーダーシップとコミットメントがなければ成功しません。しかし、経営層が改革に関心を持っていない、責任者が不明確などの場合、プロジェクトが頓挫してしまう可能性や効果が限定的になる場合があります。
まずは経営者や経営層がスマートファクトリーの必要性と推進する決意を明確に示してリーダーシップをとることが重要です。また、スマートファクトリーの責任者を定め、そこに一定の権限を与えることが必要です。しかしながら、何となく良いのはわかるし、取り組みたいけど、何から初めて良いかわからないし、どのような効果が見込めるかもわからなければ大きな資金投資は難しいと考えると思います。まずは外部専門家等に相談し、スマートファクトリーを行うことで自社の未来がどのようになるかというイメージを持つことが大事です。
2. スマートファクトリーの効果は中小企業の方が感じやすい
スマートファクトリーと聞くと、大手企業が行うものではないかと感じる方も多いのではないでしょうか。ある調査によると、スマートファクトリーに取組んでいる企業は2割程度という結果もあります。一方でその調査では取り組んでいる2割の企業のうち8割以上が効果を実感できているそうです。実はスマートファクトリーは中小企業の方が上手くいく場合も多く、効果も実感しやすいです。
理由は、上述しているように、スマートファクトリーを推進していくには経営者のリーダーシップやコミットメントが重要です。その点中小企業はトップダウンしやすい体制があります。一方で専門人材不足はあると思いますが、外部人材等で補うことや資金面でも中小企業向けの補助金等の活用を行うことで取り組みを始めることが可能です。
また、大企業では、規模が大きいことや関係先も多く従業員数も多いので進捗が遅くなりがちで、効果も限定的である場合は考課の実感がわきにくいですが、中小企業の方が大規模ではない分選択と集中で効果を最大化することができます。
3. スマートファクトリーの第一歩はデータの見える可
スマートファクトリーの推進に関して興味が湧いてくると、まずは何からすれば良いのだろうと考えると思います。スマートファクトリーと聞くとロボット技術の導入やAIの活用等が思い浮かぶかもしれませんが、まず第一歩はデータの収集とその見える化です。
スマートファクトリーの効果を実感として大きいのは生産性の向上です。そのため身は製造プロセスで収集したデータを品質向上に活用することが第一歩となります。
データ収集というと難しく聞こえる部分もありますが、センサーを設置して集まる情報を分析しそれをPDCAで回すこと繰り返すことです。
住友電設では、グロサポという製造業を対象とした生産等に関するデータで未活用のデータ(以下、データ)の可視化と、データの具体的な活用方法について、専門家が定期的にアドバイスを行うサービスを実施しています。

※グロサポソリューション動画 ※クリックでYoutube動画が再生されます

※グロサポはIT補助金対象ソリューションです。
グロサポ活用の2つの事例を下記のリンクでご紹介します。是非ご確認ください。
事例1:工作機械の稼働率向上を図るためにグロサポを採用
https://www.sem.co.jp/inet/result/detail/2
事例2:より効率的な製造ラインの運用に繋げるためにグロサポを採用
https://www.sem.co.jp/inet/result/detail/1
まずは大きな費用を掛けずデータ収集を行い、効果的な改善方法を決めていき将来像と目標値を設定しながら少しづつ領域を拡大していく方が資金的にも安心ですし強く推進をしていくための確信が持ちやすいので第一歩としてデータ収集と分析から初めましょう。
4. スマートファクトリーの成功の鍵は意識改革
スマートファクトリーを成功に導くのは“意識改革”です。人には現状維持バイアスが働くので“改革”に初めから前向きになりにくいので、それを期待するのは難しいと思います。特に現場では、スマートファクトリー化で自分の仕事がなくなるのではないか、自分の価値がなくなるのではないかと思う方が実際に多くいます。実際にスマートファクトリーの目的に一つには技術の継承があります。熟練工でしかできなかった作業を標準化して誰でもできるようにするということは、熟練工自身が自分の存在意義が減ると考え反対したり協力してくれないということは良くあります。
つまり、経営者だけではなく、会社全体で変わらなければいけないという意識を強く持つことが成功には不可欠です。そのためには、会社のビジョンだけではなく、従業員のキャリアパスも含めたビジョンを描き,伝え続けることで、社員全員がスマートファクトリー後の仕事に希望を抱き変革にワクワクする意識改革が重要です。
5. スマートファクトリーのステップを紹介
スマートファクトリーでは、いきなり大規模に行うより、スモールステップの積み重ねが重要です。

※出典:経済産業省中部経済産業局:スマートファクトリーロードマップ参照
https://www.chubu.meti.go.jp/b21jisedai/report/smart_factory_roadmap/roadmap.pdf
経済産業省が出しているロードマップのステップは下記の3段階です。
第1ステップ:データの収集・蓄積
第2ステップ:データによる分析・予測
第3ステップ:データによる制御・最適化
同資料では、「「品質の向上」「生産性の向上」「コスト削減」「製品化・量産化の期間短縮」「⼈材不⾜・育成への対応」「新たな付加価値の提供・提供価値の向上」「「その他(リスク管理の強化)」の7項目について各ステップに沿って具体的な方法も記載されていますので是非参照してください。
全ての項目の基本は上記のレベル1からレベル3のステップに分かれています。つまりこれが基本となるということです。一気に進めようとすると人材不足やリソース不足になりやすいので、まずは手の付けやすいところから初めて見ることが大事です。
手の付けやすいところとは、「データが収集しやすい」「現場が協力的」「上手くいかなくても経営に支障が少ない」ところです。そういう場所からスタートして成果を実感することで、現場も協力的になってきますし、リソースを割く覚悟もしやすくなると思います。まずはスモールステップから始めましょう。
6. まとめ
スマートファクトリーというと大企業のやることだと考えず、小さな第一歩から初めることが重要です。実際に取組んだ企業の8割以上が効果を実感しているというデータもあるので、取り組めば効果が得られる可能性はかなり高いですし、スマートファクトリーを取り入れている企業とそうでない企業の差は大きくなる可能性があります。とはいえ、経営環境や資金環境で余裕がない中でいざ進めようと思うと難しい面ばかり見えるかもしれません。しかし今後の生き残りを考えると取組む必然性はかなり高い状況になっていくと想定されます。そのためには小さな部分からで良いので、とにかく進めてみる、やってみるという気持ちで取り組みことが大事になってきます。

